「子どもにとって理想の幼児教育とは?」
ものすごいスピードで変化する現代社会では、様々な変化に対応するために効率や費用対効果を要求されます。そのためか、知らず知らずのうちに、本来大切な子ども自身の興味や関心を無視し、大人の一方的な価値観を押し付け、子どもの育ちにも大人の都合を求める傾向があります。
そのような世の中だからこそ私たちは、人生で一度しかない子ども時代を、子どもとして一生懸命生きてほしいと願っています。まだまだ自立できない子どもには、大人の手助けはもちろん必要ですが、何より自発的に一生懸命遊び学ぶことが大切です。
私たちの園における幼児教育では「遊び」と「学び」は同等の意味であり、遊びの中にこそ本当の学びはあると考えています。国の示す保育所保育指針や幼児教育要領にも、「遊び」が子どもたちの健全な育ちや人間形成にとても重要であると書かれています。
自分が興味や関心を持った様々なことに挑戦し、身体をたくさん使ったり、お友達と共有し、協力し合ったりすることで、遊びは広がりを見せます。
そこには、急かされることのないたっぷりの自由な時間と、適切な環境が必要であり、私たちはそれを十分に提供できるようにしたいと考えています。
1973年の設立以来 「大切にしている4つのこと」 を幼児教育の軸に、保育手法や保育環境の改善を繰り返し行ってきました。2017年4月からは、さらなる幼児教育機関としての質と環境の充実を目指し、認定こども園『みどりの森こども園』としてリニューアルいたしました。子どもが子どもとして幸せに過ごせることが、私たちの願いです。
みどりの森こども園 園長 坂本武範
「こころの保育」
私は、自分の仕事を通して、周りの人への感謝の気持ちを忘れない、そして、おかげさまでの謙虚さを忘れないことを大切にしています。それは大人にだけでなく、小さな手、小さなまなざしの子どもたちに対しても同じです。目には見えないけれど、人の真ん中にある大事な「こころ」を届けられるようにと、思う日々です。
「おはようございます」から始まる一日。
「今日も元気に過ごせましたよ、また明日ね。」と笑顔でさようならをし、親御様に引き渡すそのときまで、私たちは常に「子どもたちのために」を思います。「子どもたちは今何を求めているのだろう」「今ここには何が必要かしら」としっかり見極め、タイミングを見てそっと手を差し伸べられるようにします。
「この場所は安心できる」「この人は安心できる」と、子どもたちが日々の生活の中で感じられるように心がけています。
子どもたちは、信頼できる大人のもとで温かく優しい手や言葉に守られながら、自分の思いを自由に表現したり、自分で考えて挑戦することを繰り返したりして、自信をつけていきます。自信を持った子どもたちは、のびのび、いきいきと成長していき、きっとそこには幸せがたくさん詰まっています。私たち保育士は子どもたち一人ひとりを見て、それぞれの小さな芽が、個性豊かな花を咲かせ実をつけるようにと願っています。
子どもの笑顔は宝です。
一緒に子育てできる喜びを心から感謝いたします。
主幹保育教諭 松﨑綾子